――――――――――――――――――――chapter16 ドンとスボミー――――――――――――――――――
遠い…。なんとかならないかな。『シンゴ、伝説のポケモンでしょ?、ファイト!』へいへい。
見えてきた。『蝙蝠男の巣窟』、、、『こうもりおとこのそうくつ』な。
いつも通りエレキッドに案内されて、ドンの部屋に通された。
部屋に入るとドンとスボミーが一緒に遊んでいるではないか。
「は〜い、スボミーちゃ〜ん。何処かな〜?」
お前ほんとにドンか?
スボミーちゃんはテーブルの下に隠れている、ここからでも丸見えだ、正直見えないわけ無い。楽しそうだなぁ、スボミー。
「ここかなぁ?」
全く見当違いのところを探している。お前ホントに(略)。
バリヤードといい、ドンといい、人は赤ん坊目の前にすると普段からは想像も付かない一面を見せるんだな。
そのドンの奇行(?)に耐えられなくなったスボミーはげらげらと笑い出し、それでようやくドンは気がついたフリをした。
「あ〜こんなところにいまちたねぇ〜。」
帰ろうかな。
当のスボミーはかなり大きくなってきていた。大体今日会った『イーブイ一家』のイーブイよりは年下かな。スボミーは女の子みたいだな。
「(!)…お前達、来ていたのか。」
気が付いた。いつものドンに戻ってる。
「まぁ、座れ」
ドンはスボミーを抱きかかえながら腰掛けた。
「何をそんなに驚いた顔をしてるんだ?」
…。いやいや。
「ドンさん、スボミーを大事にしてくれてありがとうございます。」
「礼には及ばん。これも仕事だ」
ウソ付け。
「…でもドンさんが普段そんなことをするようには見えなかったので、ちょっとビックリしちゃいまして。」
「そうかもしれんな。でもこいつも大事なファミリーだろ?」
んな無茶な。
「あら」
お、この声は、
「また来たわね。チコくんにシンゴくん。」
ロズレイドさんが俺たちの声を聞きつけてからか、こっちに来た。
ロズレイドは続けて、
「実はね、私もロゼリアだった頃ドンさんにお世話になったのよ。」
とスボミーを見ながら言った。スボミーは楽しそうにドンの羽を引っ張っている。抜けないのかなぁ。
「え?そうなんですか?」
「あぁ、そんな事もあったな。あれは俺がまだ調査隊の制度を作る前だったか。」
「あの頃このメルカートで一旗上げた俺には野望があったんだ。」
「野望…ですか?」
「まぁ、何だ。簡単に言えば金儲けだな。若い時は誰でもそんな夢を見るもんだろう?まぁ、そんな話はいい。」
「メルカートが貿易で発展してきたある日、こいつがいきなり俺の家に押しかけてきたんだ。」
「え…何でですか?」
チコはロズレイドに聞いた。
「親に反抗してね…。一人でメルカートを育て上げた人の噂を聞いて来たの。思春期は誰でもそんなこと考えるでしょう?」
この人たちにもそんな時期があったんだな。当たり前だけどさ。
「正直迷惑な話だとは思ったが、こいつの中にある野心が俺に似てると思ったんでな。でも結局、一ヶ月と持たなかったんじゃないか?」
結構持ってるだろ、それ。
「そうね、でもその事がきっかけで、お世話になったこの方の所で働くことになったのよ。」
へえ…。
「私の両親の家業を継げと言われたんだけど、私のしょうに合わなかったの。」
意外につっぱってるんだな、この人。
「お父さんとお母さんは何をやってるんですか?」
「航海者よ。今も現役だわ。」
航海者か…。確かにこの人の性格(とキャラ)に合わないな。
「航海者?」
チコはよく解らないみたいだ。
「今この町でいう調査隊みたいなものかしら。あの頃は、はやってたけど。」
「メルカートでは航海者はもう寂れちゃったのかぁ…」
俺がそう漏らすとロズレイドは続けて、
「メルカートだけじゃなく、他の町でも調査隊みたいな制度があるから、結構な地域でもうすたれちゃってるでしょうね。」
と言った。他のところにもあるんだな。警備隊もその一種なのかなぁ。
「つい身の上話をしてしまったわね。ごめんなさいね。」
「いえいえ。貴重なお話が聞けて楽しかったです。スボミーちゃんがとても元気そうで安心しました。」
「スボミーは自立するまできちんと預かっておく、安心して調査隊を続けるといい。」
とドンは答えた。
「ありがとうございます。ではそろそろ、この辺で失礼します。」
「機会があったらあなた達の話も聞かせて頂戴ね。とくにチコくん。」
ロズレイドはチコが人間であると知ってかそう言った。
「は、はい。また今度」
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今日はそういえばコンサートか、先週みたいに走らなくても間に合うだろう。俺とチコは相変わらずあまり中身の無い話をしながら中央広場に戻った。
―――――――――chapter16 ドンとスボミー:END chapter17 サーナイトの疑問 に続く――――――――