―――――――――――――――――――chapter14 物語の終わり――――――――――――――――――
「シンゴ、起きて!朝だよっ!」
チコは今日もいつもと同じように俺を起こした。これからの事を心配してか、なんとなく複雑な表情をしている。
「さ!今日はグラードンとカイオーガのケンカを止められるように、頑張ろうね!」
ケンカ…。
いつものように東南の道に出ると、様々な調査隊があっちへいったりこっちへいったり、とても騒がしい。号外を見て、あるものは強大な力への恐怖からかここに残ることを決め、またあるものは何もしないよりはと、立ち向かうつもりらしい。
「大変なことが起きてますね。でも、みんなで力を合わせれば、きっと2匹を止めることができると信じます。お二人なら大丈夫ですよ!頑張ってくださいね!!」
俺たちはバリヤードの激励を受けメルカートを出た。
その時なんだか何か大切なことを忘れているような、何とも言えない気持ちになった。
『心配だからだろう…』その時はそう思った。
メルカートを出るとき地震があった。それは俺とチコがその場でうずくまって動けなくなるほどの、とても大きな地震だった。それだけグラードンとカイオーガの戦いが激化しているということであろう、一刻も早く止めなくては。
『黄昏の迷宮』の場所は昨日フリーザーから聞いていたが、上ったり、下ったり、右に曲がって、左に曲がって…。銀の洞窟なんかよりもはるかに険しい道のりだ。
教えてもらった道を進めば進むほど、まだダンジョンに入っていないにもかかわらず、なんだか体が電気にでも触れたかのようにピリピリしてくる。2匹の争いが引き起こしているエネルギーなのだろう。すごいエネルギーだ。
「シンゴ…。グラードンとカイオーガの激突を止めるために…ファイト!」
「ファイト!」
武者震いとでも言うのか、体中の毛が逆立つような気がした。
謎の声の持ち主は1回目のコンタクトで今日の事を伝えていたんだろうか。昨日『奴ら』とか言ってたし。雑音で聞き取れなかったが、なんとなくそんな感じがする。
ダンジョンの中に入ったら妙な感じがする。なんだろう、この感じ。なんだか俺はここを知っているような気がする。まぁ銀の洞窟にどことなく似ているからだろう。
俺たちは昨日ミロカロスから教えてもらった方法でモンスターハウスを避けながら、なんとか先に進む。
どうやら、このダンジョン、一つのフロアが同じ位置にあるとは限らないらしい。ここまでの道のりのように上に行ったり、下に行ったり、自分のいる部屋が突然落ちたりもする。かと思えば、階段にたどり着いたと思ったら、急に地響きが起き、目の前の階段が全然違う部屋に移動したりもする。これもグラードンとカイオーガの激突による膨大なエネルギーの影響だろう。
このダンジョン何階まであるのか解らない、というか自分達が今何階にいるのか解らない。
いつ始まるかも解らない戦いに備える為、出来るだけ技を節約して進む。
そういえば、チームポケドーロは今どうしてるだろう。もう俺たちよりずいぶん先にいるのかな、もしかしたらもうグラードンとカイオーガの元にたどり着いているかもしれないな。
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「まったく、こんなに遅くなるなんて…」
「ごめぇん、準備に時間、かかっちゃって〜。ほら、グレイス、髪長いでしょう?」
「もうチコとシンゴは先に行ったでしょうね。出掛けに覗いたら、もう基地にいなかったもの」
*「私、まだチコとシンゴに出会ってないのよねぇ。ミミが気にかけるほどのポケモンでしょう?ちょっと会ってみたいな〜」
「別にそういうわけじゃないわ。妙な攻撃でグラードンとカイオーガを怒らせたくないだけよ。さ、早く追いつき…あら?」
*「え、どうしたの?ミミ?」
「まずいわね。このダンジョン、2匹の発生させる膨大なエネルギーで精巧な道具が使えないわ!」
*「でも、それなら『みとおしメガネ』なしで普通に進めば…?」
「そういう事じゃないわ。このバッチも精巧な道具よ?。という事は中で万が一、チコやシンゴが倒れても場所がわからないのよ。」
*「あ!。…でも最深部までいけば…?」
「それも無理ね。このダンジョン見て。」
*「空間がゆがんでるわ!」
「え〜それって、かなり、ヤバクな〜い?」
「2人が倒れないうちに追いつかないと、下手したら2人の命が危ないわ!。早く行くわよ!!」
「あ〜ん、待って〜。グレイス、そんなに早く走れな〜い」
*(なんだかんだ言って、ミミ、2人のことが心配なのよね。)
「なんか言った?」
*「なんでも無い!。早く行きましょ!」
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もうどのくらい進んだだろう。普通のダンジョンと違い空間が捻じ曲がっているのか、全然先に進んでいるような気がしない。
「最深部…遠いね。」
もくもくと進んでいると、チコが話しかけてきた。なんだか表情が暗い。まぁこんな状況では、さすがのチコも暗くもなるか。そういえばグラードンとカイオーガの名前を聞いた辺りからこんな感じだ。
そもそもグラードンとカイオーガは、最深部にいるのか?。このダンジョンフロアの形が一定じゃないからなぁ。
お腹が減ってリンゴを食べる、もう何回繰り返しただろうか、上へ下へ上へ下へ。本当に先に進んでるのかな。同じところを回っているんじゃないだろうかという、不安さえ覚える。
そろそろ食料が心細くなってきた。まずいな、リンゴ無くなるよ。もっと買っておけばよかったかな。
何回目の階段だろうか、その階段をクタクタになりながら下りると、急にあたりが開けた。どうやらここが最深部らしい。
かなり熱い。あちこちから水蒸気も噴出し、まるで蒸し風呂みたいだ。ところでここ…。
「…誰もいないわね。」
チコは俺より先に、とことこ進みながらそう言った。グラードンも、カイオーガも、影も形も見えやしない。なんか拍子抜け…。
ん、急に地面が揺れだした。どんどん揺れが大きくなる。そして巨大な生物の足音。来るっ。
「チコっ横から来る!」
「えっ…?」
俺が叫び声をあげチコが後ろに飛びのいたのとほぼ同時に、岩壁がガラガラと崩れた。今、俺が声を上げなければチコ、潰されてたな。
壁が崩れると同時になだれ込む水、急いで右側の少し高台になっているところに逃げ込む。
やっとその2匹の存在を確認できた。で、、でかい。本当に同じポケモンなんだろうか。
流れ込んだ水が陸を飲み込もうかとするように削り、させまいと陸がせめぎあっている。陸からはマグマも噴出して水に流れ込んできた。今のところ丁度フロアを半々に分かち合っている。
「俺はグラードン、チコはカイオーガ!」
攻撃しなきゃ始まらない。
「『ソーラービーム!』」
「『ハイドロポンプ!』」
二人とも覚えたての初めて使う技を出した。
「ダメ!シンゴ。わたし達のレベルじゃ、遠すぎて当たらないわ!!」
ダメだ。近づこうにも、下は右はマグマに左は海で足場が無い。
その時、カイオーガの『れいとうビーム』がグラードンに弾かれ、俺たちに向かってきた。その攻撃は俺たち二人共に当たった。
「きゃっ」
効果は抜群だ!
「ぐわっ」
効果は今ひとつのようだ…。
「チ、チコ。大丈夫かい!?」
俺も相当なダメージを受けたが、こおりタイプの技が効果抜群な、くさタイプのチコの方が心配だ。
その時チコはまばゆい光に包まれた。
「大丈夫、シンゴ!昨日ミロカロスさんにこれを貰ったおかげね」
一つだけ貰ったふっかつのタネ、思ったより早く使っちゃったな。
でも今度攻撃が当たって、倒れたら、ふっかつのタネはもう無い。
また他の調査隊の助けを待たなければならない。
――来ないよ。――
え?
別に誰が言ったわけでもない、自分でそう思ったんだ。どういう事だ?。
――覚えてるだろ?――
何を?
――そろそろ次の攻撃が来る――
え??
「あ!危ないチコ!!」
今度はグラードンの『だいもんじ』が迫る。やばい炎タイプの技だ。
でもこの技を受けたら、俺も…
――チコを守るんだ――
…。
――俺は、そのために――
とっさにチコをかばってグラードンの攻撃を受けた。息も出来ないほどの衝撃に、うずくまった。
「シンゴ!!」
チコが俺に駆け寄ってくる。
「シンゴ、大丈夫、きっと調査隊の誰かが助けに…」
「…来ないよ。」
俺は力を振り絞って言った。HP、もう底を尽いたな。
「え?何で…?」
「このダンジョン、…バッチが役に…立たない。…フロアの位置も…一定じゃない。」
「でもポケドーロなら…?」
「…間に合わない。その前に2匹のバトルによるエネルギーで大爆発が起きる…。」
「…え?」
「その後、戦いは止む。…でも、キミは…。そう、俺は君を…」
「…。」
チコは何かを理解しようとして、俺の話を聞いている。
「助けるために、未来から…来た…伝説のポケモンだ。すべて、、思い出した。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺は未来の世界でキミとポケドーロの事を知った。
「無茶苦茶じゃないか、何でこうなった!」
グラードンとカイオーガの争いを止めようとして、立ち向かった調査隊の中で、一番その戦いの近くにいた、チコ、ポケドーロの3人の計4人が力尽き、その生死を確かめることも出来なかった。というのだ。
**「仕方ないわよこれは必然だわ」
「そんなことあってたまるかよ!こんな、こんな!」
理不尽な事があってたまるか。無益な戦いなんてイヤだ。
**「私達じゃどうしようもないわ」
「そうだよ、そうだ。俺はこのチコとかいう、女の子とポケドーロを助けてみせる!」
俺はその時は、4人をダンジョンに入る前に止めるつもりでいた。
**「え、何を言ってるの?そんなこと、出来るわけないじゃない」
「そんなの、やってみなきゃわからないだろ!」
過去へ行けば記憶が無くなり、姿が変わるのも解っていた。でも、納得できなかったんだ。
**「あ、どこへ行くの!」
俺は、一番の親友に俺の気持ちを伝えに言った、そいつはすぐに理解してくれたよ。
*「そうだな、お前は向こうで本当の名前を使わないほうがいい、って言うか使えんだろうな」
すぐに知恵を貸してくれた。時を渡るポケモン、セレビィも一緒に探してくれたしな。
*「フィードリース、ってのはどうだ?ほら、こうすれば…」
偽名もすぐに考えてくれた、伝説のポケモンの名前をそのまま使うわけにはいかないだろ?
「フィードリース・ジンゴか、いい名前じゃないか」
*「向こうの世界で使命を果たすんだったらお前はもう少しポケモン世界の事を勉強したほうがいいんじゃないか?」
俺は伝説のポケモンだからって言うのもあるが、この世界の事をあまり知らなかった。
「ははは…いいよ。どうせ記憶、無くなるんだろ」
*「まぁそれもそうだな。でも名前だけは忘れるなよ。」
「無理な気がするが、努力はするよ。」
世界を救うために立ち向かった4人のポケモン達の、勇気や努力を無駄にはしたくない。
必ず4人の未来を取り戻してやるさ。
――努力しても報われない。そんなのありえない。ずっとそう思ってきた。――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「結局、俺のいた未来では…伝説のポケモン達で…戦いを止めた。君には無理だったんだ。でも…。君だけでも助けたかった…。」
「シンゴ、、、」
「ジンゴ、、FEADLYS・GINGO…並べ替えて、FLYING SEA GOD…そう俺はルギアだった。」
「そっか!私…失敗しちゃうはずなのね。」
チコは明るくそう答えた、無理してるんだろう。
しばらく拮抗していたグラードンとカイオーガの戦いだったが、グラードンの出した『マッドショット』をかわしたカイオーガが『ぜったいれいど』を繰り出す。だがその技はグラードンからそれ、またもや俺たちのほうに向かってきた。
「きゃぁ!」
体力が尽きた俺にチコをかばう事なんか出来るわけも無く、技はチコを直撃した。
どうやらチコもHPが底を尽いたらしい。
目がかすむ。
だんだんと視界が狭まり、
音が消えていくのを感じる。
「ゴメンな…」
結局何も変えられなかった。
俺は無意識のうちに謝っていた。
「…ううん…」
かすかにチコの声が聞こえた。
「…うれしかったよ、ありがとう。」
こうしてる間にも
大爆発の時間へどんどん近づいているんだろう。
もう駄目だ。
やっぱり過去を変えるなんて、
無理だったんだ。
ゴメンな――――――――――――――――――――。
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*「大丈夫か!おぬし達!!」
こ、この声は?
次の瞬間、俺もチコもまばゆい光に包まれた。体中に力がみなぎるのを感じる。
「私たち…まだ戦えるのね」
そのポケモンはフリーザー、後にはポケドーロの3人がいる。
「我はどうにもお主の事が気になってな。ここに一人で来たという訳だ。それにただ待っているだけというのも、我のプライドが許さん。」
ポケドーロのミロカロスはそれを受け続けた、
「私たち途中でフリーザーに出会ってここまで案内してもらったの。3人ではここまで着けなかったかもしれないわ。」
「2人でやっつけるなんてぇ〜。グレイス、許さないんだから〜。抜け駆けは禁止よ。」
「ミミが心に留めたお二人の戦い、私も参加しちゃうわよ!」
と言ったのは、初めて出会うデンリュウ。元気な女の子って感じだ。
「さ!6人で力を合わせて、行くわよ!『ふぶき+2』!!」
ミロカロスは、おそらく最も強いであろう技を出した。
「行くわよ〜。『ギガインパクト+2』!」
グレイシアはグラードンに攻撃を繰り出した。
「えい!『10万ボルト+2』!」
デンリュウはカイオーガに攻撃を繰り出した。
「そうだ、おぬし達。この距離では技が届かぬであろう?我の背中に乗れ!」
「はっはい!」
俺たちはフリーザーの背中に乗りながらグラードンとカイオーガに近づく。そうしてる間にもポケドーロのメンバー達は的確に攻撃を繰り出す。確実にグラードンとカイオーガは動きが鈍くなっていった。
フリーザーは2匹の周りを旋回しながら近づいていく。
「『こなゆき』!」
先に射程距離内に届いたフリーザーがグラードンに技を繰り出す。
「『ソーラービーム!』」
「『ハイドロポンプ!』」
グラードンとカイオーガの攻撃が当たらないよう警戒しながら俺とチコも攻撃を出す。
今度は2匹にダメージを与えることが出来た。
「見てシンゴ!!」
俺たちの技が当たるのとほぼ同時に、グラードンとカイオーガは無益な戦いに飽きたとでも言うかのように、お互いに背を向け立ち去っていった。
「やった…」
俺は自然と声を出していた。
「うん、やったね!」
フリーザーは2匹の立ち去る様子を見届けるようにもう一度ゆっくりと旋回した。
「やったな、お主ら。これでこの世界は救われた。」
俺たち2人はポケドーロのいるところに戻った。
「やるわね…」
とミロカロス
「あ〜ん、いいとこ持ってかれちゃった〜」
とグレイシア
「まだ汗もかいてないんじゃない?」
とデンリュウ。
「俺たちには立派な翼があったからね」
普段だったらこんな事、照れくさくて言えない。
「お主達がいなければ、我は自分の居場所を取り戻すことは出来なかった。礼を言おう。」
「さ、皆でメルカートに戻りましょ」
とミロカロス。そうだこの事を町のみんなに報告しなくちゃ。
「帰ろう、チコ。…?…。チコ、その体?」
チコの体は半透明になっていた。
「ゴメン…シンゴ。私もう、行かなくちゃ」
「行くって、、、どこへ?」
「元の世界に戻らなくちゃいけないの。もう使命を果たしたから。」
「え?」
「…私ね、前は人間だったの。」
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「私はあなたみたいな人間を探していました、お願いがあるんです。あなたにはポケモン世界を救うためにポケモンになってポケモン世界に行ってもらいたいのです。」
「ポケモンに…?」
「はい、あなたしかいないのです、どうか、お願いできませんか」
「私しかいないの?」
「はい…。ぜひあなたに。」
「そこまで言われたら、引き受けないわけにもいかないわね。」
「ありがとうございます!では早速あなたがポケモン世界でしなければならないことの説明をさせていただきます」
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「サーナイトに頼まれたの。リストランテにいたでしょう?、私を心配してこっちまで付いてきたのよ。」
「…チコ、どういう事だい!?。ちゃんと説明してくれよ!」
「この世界を救うために…グラードンとカイオーガを止めるためにやってきたの。でもそれももうおしまい。」
「おしまい、、、って、、、」
「それが私の使命だったの。シンゴ、ありがとね。ずっと言いたかったんだ。もう会えないけど、、、私の事忘れないで」
「忘れないでなんて言うなよ!会えないなんて…言うなよ…『また明日』だろう!」
俺の目からはいつの間にか涙が流れていた。
「シンゴ、、、ゴメンね。ありがとう」
チコも泣いている。
「チコッ!」
俺はチコをこの手で繋ぎ止めようとした。
手は空をかいた。
後ろを振り向いても彼女はもういない。
そう、いないんだ。
「チコ〜〜〜!!!!」
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ようこそ!
ポケモンの世界へ!!
ここはポケモン達が住む、ポケモンだけの世界だ
さて、さっそくだがキミに災難が襲いかかってしまったようだ
どうやら、キミは、なぜかポケモンになり、しかもこの世界に迷い込んでしまったようなんだ
そう…キミはチコリータのチコ。
シンゴと出会った時にはすべての記憶を取り戻していたけど、
キミはもうこの世界には戻れない。
でも、すべての出来事が、夢のようなものだったのだろうか。
すべての思い出が、いつかは消えてしまうものなのだろうか。
すべての微笑み、すべての涙が、忘れ去られてしまうものなのだろうか。
『すべてが消えるわけじゃない。』
きっとキミはそう言うだろう。
ひとつの事を君は学んだ、
届かない想いは無い。と。
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STAFF CREDIT
STORY
KAISHIN HIRAI
DEBUG
KAISHIN HIRAI
COPY WRITE
KAISHIN HIRAI
PRODUCE
KAISHIN HIRAI
SUPERVISOR
KAISHIN HIRAI
ILLUSTRATION
NOBODY
SPECIAL THANKS
CHUN SOFT
NINTENDO
POKEMON
CREATURES
GAMEFREAK
AND YOU
THANK YOU FOR READING.
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フリーザーは一度銀の洞窟に戻り、言葉もなくした俺は、ポケドーロたちと共にメルカートに戻った。
メルカートでポケドーロが皆にカイオーガとグラードンの激突を無事止められたという事を伝え、その後、メルカートでは大きな事件の終結を祝ってお祭り騒ぎとなった。
しかしその騒ぎも俺には遠い出来事のように思えた。
皆にご馳走を振舞いながら、バリヤードが話しかけてきた。
「シンゴさん、チコさんは?」
「チコは、、、もういないんだ」
「ま、まさか、、、」
俺はバリヤードに誤解されないうちに詳しく説明した。
「そうですか、、、チコさんが、、、知らない事とはいえ申し訳ありませんでした。」
バリヤードは俺の気持ちを思いはかってか、責任も無いのに、謝ってきた。
と、人ごみを掻き分けて近づいてきた人物がいた。サーナイトだ。
「シンゴさん、あたしには、あなたに説明しなければならない責任があります。」
その後のサーナイトの話をまとめるとこうだ。
自分の未来予知でグラードンとカイオーガの戦いを予測したこと。
その戦いを止めるために、人間が必要だったこと。
そしてその適任が、チコだったことを。
「もっと早く私が事情を話していれば…。チコさんにも言いにくいことだったのでしょう…」
「もう、、いいんだ。俺もわかるよ。」
俺はチコが消えてから、心がカラッポだ。
俺は中央広場を抜け出し、俺とチコの基地の南にある海岸に向かっていた。
「あっ…」
キレイな貝殻だ。拾っておこう。きっとチコも喜ぶよ。
と思ったときに、忘れていた涙がまたあふれて来た。
涙は後から後から押し寄せてくる。
誰もいないので、声を出して泣いた。
泣いても泣いても収まらない。
*「シンゴ」
チコが俺の名前を読んだ気がするが、風の音だろう。
*「シンゴ」
「チコ…?」
大泣きしている俺の目の前にチコが、現れた。
「…ただいま。」
「チコ!!チコ〜〜!!!!どうして、どうして?どうして??」
「『また明日』って言うのを忘れたから。」
そういうチコも泣いていた。
「さ!明日も早いよ!!もう寝ましょ、また明日。」
「夢じゃないよね!?ホントにチコだよね!?」
「ためしに『はっぱカッター』でも受けてみる?」
「いや、止めておくよ」
俺もチコも少し笑った。
俺もチコもそれは面白かったからじゃないとわかっていた。
「あっ…でもこの貝殻、受け取ってくれる?」
「あ!すごい!。こんなキレイな貝殻始めてみたわ!。高く売れるんだよ!でも…」
「でも?」
「これは、売らないで取っておくわ。」
その答えを聞いて俺はようやくこれが夢ではないと思った。
「それにしても、ルギアが泣き虫なんて初めて聞いたわ。」
「ポケモンになった人間も泣き虫なんだね、それも初めて知ったよ。」
「ねぇチコ…もう一回言ってよ。」
俺は続けてそういった。
「え、何を?」
「『また明日』って」
「うん、また明日」
俺たちは基地に戻った。『また明日』なんて言葉がこんなにいい言葉なんて知らなかったな。
「おやすみ、シンゴ」
「おやすみ、チコ」
Zzz…。
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―あなたにはまだ使命が残ってるでしょう?―
「え?…」
―大切な人と一緒に調査隊を続けるという使命が―
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チコとシンゴの冒険はまだまだ続く。
ファドルスは誰なのか?
コソドーロはどうなったのか?
スボミーは今どうしてるのか?
それはまた、次のお話。
――――――――――chapter14 物語の終わり:END chapter15 2つ目の物語 に続く――――――――――