―――――――――――――――――――chapter5 VS依頼主!――――――――――――――――
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「あっ!」
先に声をあげたのはリアフだった。その声には人を見つけられた喜びというよりもむしろ、思わぬと
ころにいたという驚きのほうが強く感じられた気がした。
この角度からだと、木の陰になって大部分見えないが、かろうじて薄水色の細長い手が見える。先が
丸っこい。あの形といい色といい、あそこにいるのは多分…。
ぼくは少し急ぎでリアフの隣まで駆け寄る。
そいつは思った通りソーナンスだった。前にリアフとある程度のポケモンの名前くらいは知っておこ
うということになり、捜索隊のデータベースで調べたんだ。もちろんデータベースといっても完璧なも
のではなく、ほとんど姿しかわかっていないことが多い。このソーナンスもそんな一人だ。そんなポケ
モンにあってよりデータベースを完璧なものにするのがぼくたちのチームの目標だ。もちろん誰も見た
ことがないポケモンに会えるに越したことはないが、そんな都合のいいことはめったに起きないと思っ
ている。
ソーナンスはひどく怯えているようで、小刻みに震えている。おそらく依頼主で間違いないだろう。
「捜索隊です、助けにきました。立てますか?」
リアフは短い手、いや短い足を差し出した。だって本当に短いんだもの。まぁ僕もかなり短いけどさ
。
ところが、ソーナンスはリアフが差し出したその前足を思いっきり振り払った。
「こ、こないでぇ!」
ぼくとリアフはものすごい衝撃波で木に叩きつけられていた。ソーナンスになにか攻撃をされたらし
い。
さっきの発言といい、完全に困惑しているようだ。こりゃ参ったな、考えられる限りで最も悪いパタ
ーンだ。
しかたない、この場は一旦応戦するしかないだろう。
まず通常攻撃あたりで様子見、と言いたいところだけど、さっきの一撃から察するに、このソーナン
ス、それなりに強いだろう。悪いが、今覚えている技で、一番強い技を使わせてもらおう。ぼくは早速
「たいあたり」を繰り出した。
「ひ、ひぃ!」
ソーナンスは小さく叫ぶと、体が薄く光った。
チュイン!
え?と思った瞬間、ぼくは「バシッ!」というなにかの衝撃を受けた。
ぐへっ!。な、なにが起きたんだ…?。
「い、イブ!大丈夫!?」
リアフが慌てて駆け寄ってくる。
「な、なにが起きたの?」
ぼくは自然にリアフに聞いた。
「わ、わかんない」
リアフは短い足に不似合いな大きな顔を左右に振った。
リアフはすぐにさっきぼくに起きたことを確かめるかのように通常攻撃を繰り出した。
ところがやっぱりさっきぼくに起きたそれと同じく、ソーナンスの体が光り、リアフもなにかの衝撃
を受ける。
こうして第三者視点で見ていると、まるでソーナンスがなにか技を出したように見えるけど…。
「やっぱり!」
え、リアフはもう何か解っちゃったのか?。やっぱり経験の長さなんだろうか。
「このソーナンス、私たちの技をそっくりそのまま跳ね返してるわ!」
あ!。そう言われてみれば、さっきのソーナンスのぼくへの衝撃は体当たりに似ていたような気がす
る。
で、でもそしたらどうやって落ち着かせれば…。
リアフもどうすればいいのか解らないのだろう、かなり動揺している。
と、その時、またもやあの衝撃波がぼくたちを襲った。
「ぐへっ!」
ダメだ、さすがに2撃も食らっちゃぁ―
ぼくはいつのまにか川原らしき場所で横たわっていた。
どうやらソーナンスに倒されてしまったみたいだ。
しかし、自分の出した攻撃をすべて…しかも通常攻撃まで跳ね返されてしまうとは、一体全体どうし
たらいいのやら。
「ダメだったね…リアフ」
「うん…ひとまず町まで戻って、体制を立て直しましょう!」
ぼくとリアフはひとまずエル・パライソまで戻ることにした
――――――――chapter5 VS依頼主!:END―chapter6 ムウマの奇策 に続く――――――――