―――――――――――――――chapter3 リーガ・エル・パライソ?――――――――――――――――
―そうです!ついにやってまいりました。ここエル・パライソで最も盛り上がると言われているスポーツイベントの開幕です!。―
―コスタ・デル・レイ・スタジアムにはこの日を待ち焦がれていた6万人のサポーターが、シーズンの始まりを告げるホイッスルを今か、今かと待ちわびています!。今期のチームは新たなメンバーも加え、監督リングマのポラーリは今年で5年目、我らがチームコスタ・デル・レイは昨シーズンはリーグ優勝まであと一歩といったところ、今年はぜひとも念願のタイトルを手に入れたいところです。今日の気温は18度、風はおだやかでピッチの芝も最高のコンディション。絶好のサッカー日和といえるでしょう。天も今日のイベントを待ちわびていたかのようです!。―
いよいよ選手がピッチに現れた。対戦相手は守備力に定評のある強豪モンターナ・ビアンコ、チームカラーは白である。そして今日、開幕戦にホームで迎え撃つ「我らが」チームはコスタ・デル・レイ。スピードあふれる戦い方は魅力があるが、耐え忍ぶかたちになるといまひとつ。そのあたりが優勝に届かないところかもしれない。チームカラーは血潮の赤である。サポーターは単に「デル・レイ」と呼ぶ。
スタジアム中に響き渡る観客の叫び声。テンションをあげるのは大いに結構だが、帰りに喧嘩しないように。
近くにいる子どもがうるさそうに耳を塞いでいる。少年よ、慣れが大切だぞ。
フラッグを交換し、コイントス。アウェーチームは前半自分達のサポーターのいるほうにゴールを選択した。
ホームチームからのキックオフだ。
軽いパス交換から様子を伺うも、相手は守備に定評のあるチーム前半はプレスもきつく前にボールを出すスペースがみつからない。ドリブルで突破をねらうが、相手のボランチにうまく体をいれられカットされた。
カットしたボールは速攻で前線に送られるが、デル・レイのディフェンスはうまくオフサイドトラップを使った。
チームの特徴どおり、俊敏に試合を動かしていくデル・レイとボールは回させるが最後のシュートまでもっていかせないモンターナ・ビアンコの攻防がしばらく続いた。
デル・レイのミッドフィルダーが放った30メートルほどのロングシュートが、こうちゃくしかけた試合を動かしたが、これは相手のゴールキーパーが片手でネットに吸い込まれるのを防いだ。
しかし、すぐつづくコーナーキックのチャンス、デル・レイのサポーターがヒートアップする。
コーナーキックのキッカーはデル・レイの司令塔、ハッサムだ。ハッサムは相手マークのついていない、やや離れた選手を狙った。うまく落下地点に飛び込みボレーを放つもこれはキーパーの正面だ。
ゴールキックは一人残っていた相手チームフォワードにすばやく運ばれ、フォワードはワントラップしてシュート。しかしデル・レイのディフェンスはシュートコースをうまく消していてゴールネットの外側にそれた。
デル・レイのキーパーからのフィードは、モンターナのディフェンスにカットされるが、そこからのパスをデル・レイのミッドフィルダーが奪う。そして、無駄な走りこみになるのをいとわない、デル・レイの右サイドバックにわたされた。
チャンスだ!デル・レイサポーターも声をそろえてチームを鼓舞する。サイドバックは間合いをつめてきたモンターナのディフェンスをかわすと、走りこんできたフォワード2人のうち外側の選手にアイコンタクト。それをみてモンターナのディフェンスがすこしばかり迷ったのを見逃さず、自分でドリブルをしてシュートまで持っていった。
ナイスシュート!しかし、これもまたモンターナのキーパーが足でクリアーするというはなれわざで防いだ。感嘆のような溜息のような声がスタジアムをおおう。デル・レイのコーナーキックはデル・レイがわにファールがあり、ゴールキックとなった。
う〜む、一時とも目が話せないなかなか白熱する試合だ。
と、ここで前半終了の長いホイッスルが鳴った。
「なかなかいい試合ね!イブ!!」
リアフがホイッスルを聞き終わって一息すると、そう言った。興奮しているからか、声が大きい。
「そうだね」
ぼくはふと、自分の手にいつの間にか食べ終わっていた、サンドイッチのケースを持っていることに気がついた。
「あ、捨てに行くわ。ついでにおやつでも買ってこようか?チュロスでいい??」
正直、食べた記憶が無い。けど、お腹は確かにサンドイッチの存在を認めている。
「うん、お願い」
リアフはぼくの返事を聞くか聞かないかのタイミングぐらいで、売店のほうへ小走りで行った。というか人ごみに飲まれかけているのか?。
後半はぼくがチュロスを食べ始めたぐらいのタイミングで試合開始のホイッスルが鳴り響いた。
知っている人は知ってると思うが、前半と後半ではゴールが反対側になる。
後半はデル・レイの前半終了間際の勢いがそのまま色濃く残ったような試合運びとなった。しかし、再度のチャンスもキーパーの神がかりのようないわいる「あたっている」状態にゴールまでいたらない。
デル・レイのサポーターの声援も、いまでは早くゴールをみせてくれといったような祈りのようなものとなってきていた。
そして、その祈りの声援を、歓喜の歌にかえたのは、相手ボールをうまくカットして、前線のハッサムに送ったレイディフェンスのピクシーだった。彼はそのまま、パスエンドゴーで前線に走りこんだ。
ハッサムは前線で溜めをつくり、フォワードにつなぐ。
デル・レイのフォワードはディフェンス2人をひきつけると、フリーのゴンベにパス。
力強くふりぬかれたボールはそのままゴールに突き刺さった。
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!
うおぉ!
場内に響き渡る歓声!。デル・レイ側のサポーターは総立ちで両手を空高く上げる。
もう一度ボールが中央に戻されてすぐ、終了を知らせる長いホイッスルが鳴らされた
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「勝ったね!イブ!」
知ってるよ
「あ、ダンジョンだっけ?」
そういえば『ドリッドの川辺』で依頼があるんだっけ…忘れかけてたよ。
「このままダンジョン行きましょ!」
テンションがあがってるもんだから、ずいぶんとアクティブだ。
「うん、あのダンジョンなら準備しなくても突破できるだろうし、行っちゃおうか?」
ぼくとリアフはかってうれしいテンションでそのままドリッドの川辺に向った。
――――――――chapter3 リーガ・エル・パライソ?END―chapter4 ドリッドの川辺 に続く――――――